急拡大・急縮小による圧力損失とは?計算式・計算ツールをわかりやすく解説

目次

急拡大・急縮小の圧力損失とは?

配管やダクトの設計において、断面が急に変化する箇所(急拡大・急縮小)は、意外と大きな圧力損失を生みます。圧損が大きいとポンプや送風機のエネルギーが余計に必要になり、コストや性能に影響を与えます。

ここでは、なぜ急拡大・縮小で圧損が発生するのか、どのように計算するのか、さらに手軽に試せる計算ツールまで紹介します。


なぜ断面変化で圧損が生じる?

急拡大では、流体が広い断面に一気に広がることで流れが乱れ、エネルギーが拡散・損失します。

急縮小では、狭い断面に向かって流れが絞られることで流速が上がり、後方に渦ができやすくなります。これも圧力損失の原因となります。

参考:wikipedia


圧損の計算式(損失係数を用いる)

一般的に、急拡大・急縮小による圧損は以下の式で表せます。

\(\Delta P = K \cdot \frac{1}{2} \rho V^2\)

  • \(\Delta P \):圧力損失 [Pa]
  • \(K \):損失係数(形状により異なる)
  • \(\rho \):密度 [kg/m^3]
  • \(V^2 \):代表流速(急拡大なら入口、急縮小なら出口) [m/s]

損失係数 K (ボルダ・カルノー損失)

上流側の配管の面積を\(A_1 \)、下流側の配管の面積を\(A_2 \)とすると、下記のようになることが知られています。

  • 急拡大

\(K = \left(1 – \frac{A_1}{A_2} \right)^2\)

  • 急縮小

\( K = \left( 1- \frac{1}{ \alpha} \right)^2 \)、 \( \alpha = 0.63 +0.37 \left(\frac{A_2}{A_1} \right)^3 \)


🔧実際に計算してみましょう(計算ツール)

以下のツールを使えば、必要な項目を入力するだけで急拡大・急縮小の圧損がすぐに分かります。

計算例

計算条件
流体:空気
断面形状:長方形
上流:幅1mm,高さ1mm
下流:幅0.5mm,高さ0.5mm
上流流量:1L/min

結果

ΔP=54.696Paとなります。

流体の密度・粘度一覧について

圧損計算を行う際には、流体の密度粘度が重要なパラメータとなります。
本ツールでは代表的な流体を選択できるようにしていますが、より多くの流体や数値を確認したい場合は、下記の記事をご参照ください。

👉 流体の密度・粘度一覧表はこちら

圧損計算と合わせて参照することで、実際の条件に近い値で計算でき、より正確な結果が得られます。


結果の見方と考察

ツールの結果に出てくる「損失係数 K」は、設計段階で重要な目安になります。

  • Kが大きい → 圧損が大きく、効率が悪化
  • Kが小さい → 流れがスムーズ

例えば、同じ流速でも急拡大によって K = 0.36、急縮小では K = 0.25 になることもあります。


設計での活用ポイント

  • できるだけ「緩やかに拡大・縮小」させることでK値を下げられる
  • 配管径を変える必要があるときは、ベンチュリ形状のような滑らかな形状を検討
  • エネルギー損失の大きな箇所を見つけて、改善策に使う

圧損計算


様々な圧損の計算の仕方やツールについては、下記のリンクにてまとめています。

工学計算ツール集
圧力損失の計算方法|配管の圧損と摩擦係数をわかりやすく解説 圧力損失(圧損)とは何か?初心者向けに、配管内の摩擦による圧力低下の式など計算方法をわかりやすく解説。

関連リンク・参考資料


まとめ

急拡大・急縮小の圧損は、設計において意外に見落とされがちですが、エネルギー効率に大きな影響を与えます。

簡易な計算ツールを活用することで、設計の初期段階でもスピーディに損失評価ができます。配管やダクト設計の見直しに、ぜひお役立てください。

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