目次
はじめに
オリフィスは配管やダクトで流量を測定したり、流れを制御したりするためによく使われます。
しかし、オリフィスを設置すると流体の流れが急激に絞られ、その後で膨張するため圧力損失(ΔP)が発生します。
この記事では、オリフィスで生じる圧損の計算方法を解説し、最後に**自動計算ツール**をご紹介します。
オリフィスとは?
オリフィスとは、配管内に設置された開口部のある板(絞り板)のことです。
液体や気体の流れを絞ることで、流量を計測したり、流速を調整したりします。

オリフィスによる圧損の計算式
オリフィスでは、流れが開口部を通過することで乱れが生じ、エネルギーが失われます。
このエネルギー損失(圧損)は、以下の式で表されます。
✅ 圧損の計算式
・流量からΔPを求める式は下記のようになっています。
\(\Delta P = \frac{1}{2} \cdot \rho (1-\beta ^{4})\cdot ( \frac{Q}{C \varepsilon A_0}) ^{2} \)
・ΔPから流量を求める式は下記のようになっています。
\( Q= C \varepsilon A_0 \sqrt{\frac{2 \Delta P }{\rho (1- \beta ^ {4} )}} \)
- \( \Delta P \):圧力損失 [Pa]
- \( \rho \):流体の密度 [kg/m³]
- \( Q \):流量 [m3/s]
- \( C \):流出係数(オリフィスの形状・開口比により決まる)
- \( \varepsilon\):膨張係数
- \(A_0 \):オリフィスの開口部面積[m2]
- \( \beta = \frac{d_o}{D} \):開口比(オリフィス径 ÷ 配管内径)
ツールの概要
入力

- 流体の種類(自動で密度、粘度を計算してくれます。)
※手動で密度、粘度を入力することも可能です。 - 上流圧力(kPa-abs)
- 配管、オリフィスの内径
- \( C \):放流係数(推奨値も公開(JISより引用))
- 流量もしくは配管内の流速
計算
圧損計算に必要な膨張係数\( \varepsilon\)を自動計算し、
その後、圧損を計算します。
出力

- 差圧(圧損)
- 配管内やオリフィス部の流速
🔧オリフィスの圧損計算ツール
ここからは、オリフィス圧損計算ツールを使って、任意の条件で自動計算できます。
- 流体を選ぶだけで密度、粘度が自動反映
- 流量など条件を入力すれば ΔP を即計算
- ε の補正込みで正確な圧損が得られる